急な用事や息抜きに!地域の「一時預かり」「ファミリーサポート」利用ガイド~探し方・使い方・費用まで~
地域の育児を支える「一時預かり」と「ファミリーサポート」を知っていますか?
地域で子育てをされている皆さま、こんにちは。「地域の育児サポートNavi」編集部です。
新しい土地での暮らしや、身近に頼れる方がいない環境での子育ては、喜びとともに不安も大きいことと思います。「ほんの少しの時間だけでも、子どもを預けて自分の時間を作りたい」「急な用事ができてしまったけれど、預け先がない」といったお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、そんな時に役立つ、お住まいの地域で利用できる可能性のある「一時預かり事業」と「ファミリー・サポート・センター事業」について、具体的にご紹介します。これらの制度は、市町村などの自治体や、自治体から委託を受けた信頼できる団体が運営しており、安心して利用できる公的な育児支援サービスです。
「どんな時に使えるの?」「どうやって申し込むの?」「費用はかかるの?」といった疑問にお答えし、一歩踏み出して支援を利用するための具体的な方法を丁寧にご説明します。
ちょっと子どもを預けたい時に!「一時預かり事業」
一時預かり事業は、普段保育所などを利用していないご家庭のお子さんを、一時的に預かるサービスです。保護者のリフレッシュだけでなく、通院や冠婚葬祭、仕事など、様々な理由で利用できます。
どんな時に利用できる?
- 保護者の病気や冠婚葬祭
- 保護者の仕事(短時間・パートタイムなど)
- 保護者の育児に伴う心理的・身体的負担の軽減(リフレッシュ目的)
- その他、緊急時や一時的な理由
誰が、どこで提供している?
主に市町村が主体となり、保育所や幼稚園、認定こども園、地域子育て支援拠点などが実施しています。実施場所によって対象年齢や受け入れ時間、利用できる理由などが異なる場合があります。
対象となる子ども
お住まいの市町村に住民登録をしている、概ね生後6ヶ月から小学校就学前の子どもが対象となることが一般的です。ただし、実施場所によっては対象年齢が異なる場合があります。
利用できる内容
- 時間: 施設によって異なりますが、数時間単位から一日単位まで利用できる場合があります。
- 場所: 主に保育所、幼稚園、認定こども園などの保育施設で行われます。
- 費用: 利用時間に応じて費用がかかることがほとんどですが、比較的安価に設定されています。また、市町村によっては所得に応じた減免制度がある場合もあります。具体的な金額は、お住まいの市町村にご確認ください。
利用するための具体的な方法・手続き
- 情報収集: まずは、お住まいの市町村のウェブサイトを確認するか、役所の子育て支援窓口(保育課など)に問い合わせて、「一時預かり事業」を実施している施設や詳細情報を確認します。
- 利用登録・面談: 多くの場合、初めて利用する前に事前の登録や担当者との面談が必要です。子どもの状況や利用したい理由などを伝え、利用の条件や空き状況などを確認します。
- 利用の予約: 利用したい日時が決まったら、直接施設に連絡して予約を申し込みます。人気のある時間帯や施設は予約が取りにくいこともあるため、早めに連絡することをお勧めします。
- 利用当日: 予約した日時に子どもを預けに行きます。持ち物(着替え、おむつ、ミルクなど)は事前に確認しておきましょう。利用時間に応じて費用を支払います。
問い合わせ先
お住まいの市町村役場の子育て支援担当課や保育課に問い合わせるのが一番確実です。市町村の代表電話番号に電話し、「一時預かり事業について知りたい」と伝えれば担当部署につないでもらえます。
地域で支え合う育児支援「ファミリー・サポート・センター事業」
ファミリー・サポート・センター事業(通称「ファミサポ」)は、地域において育児の援助を行いたい人(提供会員)と、育児の援助を受けたい人(利用会員)が会員となり、育児について助け合う会員組織です。市町村や市町村社会福祉協議会などが運営しています。
どんな時に利用できる?
- 保育施設や学童保育の開始前、終了後に子どもを預かる
- 保育施設や学童保育への送迎を行う
- 冠婚葬祭や学校行事の際、一時的に子どもを預かる
- 買い物の間、短時間子どもを預かる
- 保護者のリフレッシュ
一時預かり事業と比べて、より柔軟な時間や場所(提供会員の自宅など)で援助を受けられる場合があります。
誰が運営している?
お住まいの市町村や、市町村から委託を受けた社会福祉協議会などが運営主体となり、ファミリー・サポート・センターという名称の窓口が設置されています。
対象となる人
お住まいの市町村内に居住している、生後概ね6ヶ月から小学校就学前の、または小学生の子どもを持つ保護者が「利用会員」として登録できます。地域によっては対象年齢が異なる場合があります。
利用できる内容
- 援助内容: 提供会員の自宅での預かり、依頼会員の自宅での預かり、施設への送迎など、会員同士の合意に基づいた様々な援助活動が行われます。
- 時間: 会員同士の合意によりますが、早朝や夜間、休日など、比較的幅広い時間帯で依頼できる場合があります。
- 費用: 市町村が定める基準に基づいて、援助時間ごとに料金が発生します。平日昼間は比較的安価で、早朝・夜間・休日は割増料金となることが一般的です。交通費などが別途かかる場合もあります。費用は、利用会員から提供会員に直接支払われます。
利用するための具体的な方法・手続き
- センターに連絡: まずは、お住まいの市町村のファミリー・サポート・センターに連絡します。市町村のウェブサイトで連絡先を確認できます。
- 会員登録: センターで説明を受け、「利用会員」として登録手続きを行います。登録には身分証明書などが必要な場合があります。
- 援助の依頼: 子どもを預かってほしい日時や場所、援助内容などをセンターに伝えて依頼します。
- 提供会員とのマッチング: センターが依頼内容に合う提供会員を探してくれます。
- 事前打ち合わせ: 利用の前に、利用会員、提供会員、センター担当者の三者で事前の打ち合わせ(顔合わせ)を行うことが推奨されています。子どもの性格やアレルギー、注意点などを共有し、安心して任せられるか確認します。
- 援助活動: 予約した日時に、提供会員が援助活動を行います。
- 報告と支払い: 援助活動終了後、提供会員から活動内容の報告を受け、所定の料金を支払います。
問い合わせ先
お住まいの市町村役場のファミリー・サポート・センター担当窓口、または社会福祉協議会に問い合わせてください。市町村のウェブサイトで「ファミリー・サポート・センター」と検索するか、役所の代表電話で担当部署を確認できます。
自分に合った支援を見つけるには?
一時預かり事業とファミリー・サポート・センター事業は、どちらも子育て中の家庭を支える素晴らしい制度ですが、それぞれ特徴があります。
| 支援制度 | 提供主体 | 預かり場所 | 利用の柔軟性(時間・場所) | 事前の手続き | 費用 | | :--------------------------- | :---------------- | :--------------------------- | :------------------------ | :------------------- | :---------- | | 一時預かり事業 | 市町村、施設 | 主に保育施設 | 施設の定める時間・場所 | 登録、予約 | 施設に支払う | | ファミリー・サポート・センター事業 | 市町村、社協など | 提供会員宅、依頼会員宅など | 比較的柔軟 | 会員登録、マッチング | 提供会員に支払う |
- 一時預かり: 施設のプロに見てほしい、決まった場所で預かってほしい、という場合に適しています。
- ファミリー・サポート・センター: 自宅近くで預かってほしい、送迎だけお願いしたい、早朝や夜間など施設が開いていない時間に頼みたい、といった場合に適しています。
どちらの制度も、まずは情報収集から始めることが大切です。お住まいの市町村の公式ウェブサイトで育児支援の情報を確認したり、子育て支援窓口に直接相談したりしてみてください。
困った時には一人で抱え込まずに相談を
「一時預かり」や「ファミリーサポート」以外にも、地域には様々な育児支援サービスが存在します。どこに相談すれば良いか分からない、どんな支援があるか知りたい、といった育児に関する様々な悩みや疑問がある場合は、お住まいの市町村に設置されている「子育て世代包括支援センター」に相談してみることをお勧めします。
子育て世代包括支援センターは、妊娠期から子育て期にわたるまでの様々な相談に応じ、必要な情報提供や支援へのつなぎを行ってくれるワンストップ窓口です。保健師さんや助産師さん、社会福祉士さんなどの専門職が対応してくれます。
まとめ
この記事では、地域の育児支援として「一時預かり事業」と「ファミリー・サポート・センター事業」を中心に、その概要と利用方法をご紹介しました。
どちらの制度も、あなたが安心して子育てを続けられるように地域が提供している大切なサポートです。急な用事や、心身のリフレッシュが必要な時には、ぜひこれらの制度の利用を検討してみてください。
情報を集めること、そして利用のための手続きをすることに戸惑いを感じることもあるかもしれませんが、この記事がその一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。困った時は、一人で抱え込まず、まずは役所の窓口や地域の相談機関に連絡してみることから始めてみましょう。きっと、あなたに合った支援が見つかるはずです。