もしもの時に頼れる!地域の「病児・病後児保育」利用ガイド〜探し方・登録・利用方法〜
子どもの「もしも」に備える!地域の病児・病後児保育を知ろう
お子様が急な発熱や体調不良になったとき、「仕事を休めない」「看病してくれる人が近くにいない」と、一人で悩んでしまうことはありませんか。特に、地域に引っ越してきたばかりで頼れる人がいない、という状況では、こうした事態はより大きな不安につながります。
そんな時に知っておきたいのが、地域の「病児・病後児保育」という支援です。これは、お子様が病気や病気の回復期にあっても、一時的に専門の施設で預かってもらえるサービスです。
この記事では、地域の病児・病後児保育について、どのような時に利用できるのか、どうすれば利用できるのかを具体的かつ分かりやすくご説明します。地域の支援を活用し、安心して子育てができるよう、ぜひ参考にしてください。
病児・病後児保育とは?どのような時に利用できる?
病児・病後児保育とは、お子様が病気にかかっているとき(病児)や、病気の回復期にあるとき(病後児)に、保護者の就労や病気、冠婚葬祭などの理由で家庭での保育が困難な場合に、専門の施設で一時的に預かる事業です。
通常、保育園や幼稚園、小学校は、お子様の体調が万全でないと利用できません。しかし、病児・病後児保育施設では、看護師や保育士などの専門スタッフが常駐しており、お子様の体調や病状に合わせたケアを行いながら過ごすことができます。
利用できるお子様の具体的な病状や施設の受け入れ基準は施設によって異なりますが、一般的には次のようなケースが対象となります。
- 風邪やインフルエンザ、胃腸炎などの急性期や回復期
- 麻疹、水痘、りんご病などの感染症(施設が受け入れ可能な場合)
- 慢性疾患の増悪期
ただし、新型コロナウイルス感染症については、施設の受け入れ方針や地域の感染状況によって対応が異なる場合があります。利用を検討する際は、必ず事前に施設や市町村の担当窓口に確認が必要です。
どこで利用できる?地域の病児・病後児保育施設
病児・病後児保育は、主に次のような施設で実施されています。
- 医療機関併設型: 病院や診療所に併設されており、医師との連携がスムーズな場合が多いです。
- 保育所等併設型: 保育所や認定こども園に併設されています。
- 単独型: 病児・病後児保育専用の施設です。
これらの施設は、市区町村や医療法人、社会福祉法人、NPO法人などが運営しています。お住まいの地域にどのような施設があるか、また、どの施設を利用できるかについては、お住まいの市区町村のウェブサイトや子育て支援に関する広報誌で確認できます。
利用するには?具体的な手続きの流れ
病児・病後児保育の利用をスムーズに行うためには、事前の準備が大切です。多くの施設で、事前に利用登録が必要となります。
一般的な利用までの流れは以下のようになります。
ステップ1:事前登録を行う
- 登録先: 利用を希望する施設の窓口や、お住まいの市区町村の保育担当部署などで行います。
- 登録方法: 施設や市区町村のウェブサイトから申込書をダウンロードし郵送、または窓口へ持参することが多いです。オンラインで登録できる場合もあります。
- 必要書類: 利用登録申請書、お子様の健康保険証のコピー、印鑑など。所得に応じて利用料の減免措置がある場合は、所得証明書などの提出を求められることがあります。
- 登録のメリット: いざという時に慌てずに済むため、利用を検討している場合は早めに登録しておくことをお勧めします。
ステップ2:お子様が体調を崩したら
- かかりつけ医などを受診し、病状について医師に相談します。
- 病児・病後児保育の利用が可能か、医師の判断が必要です。施設によっては「医師連絡票」や「利用可能診断書」といった書類の提出が求められます。これは、お子様の病状を施設に正確に伝えるための大切な書類です。
ステップ3:施設の空き状況を確認し予約する
- 利用したい施設に電話などで連絡し、お子様の病状を伝え、受け入れが可能か、空き状況を確認します。
- 利用希望日の前日や当日の朝に予約を受け付ける施設が多いですが、予約方法や受付時間は施設によって異なります。必ず事前に確認しておきましょう。
- 多くの施設は利用人数に限りがあるため、早めに連絡することをお勧めします。
ステップ4:利用当日の手続き
- 予約した時間に施設へ向かいます。
- 利用申込書(当日記入または事前に準備)、医師連絡票(診断書)、健康保険証、乳幼児医療証などを提出します。
- 施設の利用に関する説明(食事、投薬、連絡体制など)を受けます。
- 持ち物(着替え、タオル、薬、母子手帳、お弁当・ミルクなど)は施設から指示されたものを準備します。
ステップ5:お迎え
- 施設と取り決めた時間までにお子様を迎えに行きます。
- 施設での様子について、看護師や保育士から報告を受けます。
ウェブサイトでの手続きに慣れていない場合は、まずは電話でお住まいの市区町村の担当窓口や、直接施設に問い合わせてみましょう。「病児・病後児保育の利用を検討しているのですが、どうすればいいですか?」と尋ねれば、必要な手続きについて丁寧に教えてもらえます。
利用にかかる費用は?助成制度はある?
病児・病後児保育の利用料は、施設や運営主体、お住まいの地域によって異なります。一日あたりの利用料として、2,000円〜3,000円程度が目安となることが多いようです。この他に、食事やおやつの費用が別途かかる場合があります。
また、多くの市区町村では、経済的な負担を軽減するための助成制度を設けています。所得状況に応じて利用料が減免されたり、特定の条件を満たす場合に補助が出たりする場合があります。
これらの助成制度や具体的な利用料金についても、お住まいの市区町村のウェブサイトや担当窓口で確認できます。利用登録と同時に、助成制度についても尋ねてみると良いでしょう。
どこに聞けばいい?問い合わせ先
病児・病後児保育に関する情報は、お住まいの市区町村が発行する広報誌やウェブサイトに掲載されています。
具体的な施設の情報や利用登録、助成制度について知りたい場合は、お住まいの市区町村の以下の部署に問い合わせてみましょう。
- 〇〇市役所/町役場/村役場 子育て支援課 (または保育課、こども課など、名称は自治体により異なります)
- 電話番号: (お住まいの市区町村の代表電話番号から、子育て支援課などにつないでもらえます)
- 公式サイトURL: (お住まいの市区町村の公式サイトURL)
また、利用したい施設が具体的に決まっている場合は、直接その施設に電話で問い合わせることも可能です。施設の連絡先は、市区町村のウェブサイトで確認できることが多いです。
まとめ:地域の支援を知り、安心して子育てを
子育て中は、予期せぬ出来事が起こることも少なくありません。お子様の急な体調不良もその一つです。そんな時、「どうしよう」と一人で抱え込んでしまうのではなく、地域の病児・病後児保育のような支援があることを知っているだけで、少し心が軽くなるはずです。
病児・病後児保育は、保護者が安心して働き続けたり、緊急時に対応したりするために、お子様を安全な環境でケアしてもらえる大切なサービスです。事前登録をしておけば、いざという時にスムーズに利用できます。
この記事を参考に、お住まいの地域の病児・病後児保育について調べてみてください。困った時は、一人で悩まず、まずは市区町村の担当窓口や子育て支援センターなどに相談してみることもお勧めします。地域の支援を上手に活用して、子育ての毎日を安心して過ごしましょう。