頼れる人がいない時、困った時に。地域の「一時預かり」利用ガイド〜申請・予約・費用まで〜
急な用事やリフレッシュに。地域の「一時預かり」をご存知ですか?
地域に引っ越してきて間もない方や、近くに頼れるご家族や友人がいらっしゃらない子育て中の親御さんにとって、「少しだけ子どもを見ていてほしい」という時に困ってしまうことがあるかもしれません。ご自身の通院や美容院、リフレッシュしたい時、あるいは下のお子さんの出産や急な仕事など、様々な理由で一時的に子どもの預け先を探す必要が生じることがあります。
そんな時に頼りになるのが、お住まいの自治体が提供している「一時預かり」サービスです。このサービスは、保護者が一時的に育児が困難になった場合や、育児疲れの軽減のために利用できる、保育施設などでの預かり支援です。
この記事では、地域の「一時預かり」サービスについて、どのような時に利用できるのか、どうすれば利用できるのか、費用はどのくらいかかるのかなど、利用を検討する際に知っておきたい情報をご紹介します。具体的な手続きの方法も丁寧に解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「一時預かり」とはどのようなサービス?
一時預かりとは、普段は保育園や認定こども園などに通っていないお子さんを、必要な時に一時的に預かってもらえる制度です。自治体や、自治体から委託を受けた保育施設、NPOなどが実施しています。
どのような目的で利用できる?
一時預かりの主な目的は以下の通りです。
- 非定型的な保育: 保護者のパートタイム就労、疾病、冠婚葬祭など、一時的に保育が困難になる場合
- 緊急的な保育: 保護者の傷病、災害、事故、出産、看護、介護などにより、緊急・一時的に保育が必要となる場合
- 私的な理由による保育(リフレッシュ保育): 保護者の育児に伴う心理的・身体的負担を軽減するため
特に、地域に頼る方がいない方にとっては、最後の「リフレッシュ保育」として利用できることは、育児の孤立を防ぎ、心身の健康を保つ上で非常に大切な支援となります。
どこで利用できる?
一時預かりは、主に以下の施設で実施されています。
- 認可保育園
- 認定こども園
- 地域子育て支援拠点施設
- その他(自治体が指定する施設など)
お住まいの地域によって実施施設は異なりますので、後述する方法で確認が必要です。
どんな子どもが対象?
一時預かりの対象となる子どもの年齢や条件は、自治体や施設によって異なりますが、一般的には以下のようになっています。
- 対象年齢: 生後○ヶ月から小学校入学前までのお子さん(具体的な月齢や年齢は自治体による)
- 居住地: 原則として、サービスを実施している自治体に住民票があること
- その他: 集団保育が可能であること(利用前に面談や健康状態の確認がある場合があります)
具体的な対象年齢や条件については、必ずお住まいの自治体の情報をご確認ください。
一時預かりを利用するための具体的な方法・手続き
一時預かりを利用するには、いくつかのステップがあります。初めての方でもスムーズに進められるよう、順を追ってご説明します。
ステップ1:お住まいの自治体で情報収集をする
まず、お住まいの地域で一時預かりサービスが実施されているか、どのような施設で利用できるかを確認します。
- 自治体の公式ウェブサイト: 「〇〇市 一時預かり」などで検索すると、関連情報が見つかります。制度の概要、実施施設リスト、利用方法、費用などが掲載されています。
- 広報誌: 自治体の広報誌に一時預かりの情報が掲載されることもあります。
- 子育て世代包括支援センター/子育て支援課: 地域の総合的な子育て相談窓口です。電話や窓口で一時預かりについて尋ねることができます。地域の支援制度に詳しい職員が対応してくれます。
- 例: 〇〇市 子育て支援課 電話番号:XXX-XXXX-XXXX
ステップ2:利用したい施設を探す・問い合わせる
自治体のリストなどを見て、ご自宅からの距離、利用したい時間帯、対象年齢などを考慮して、利用を希望する施設を見つけます。
- リストアップした施設に直接電話やウェブサイトで問い合わせて、一時預かりを実施しているか、現在の空き状況、登録方法などを確認します。
- 複数の施設に問い合わせて、比較検討することをおすすめします。
ステップ3:利用のための「登録」手続きをする
多くの一時預かりサービスでは、実際に利用する前に事前の登録が必要です。
- 登録場所: 利用を希望する施設で行う場合と、自治体の窓口(子育て支援課など)で行う場合があります。
- 必要なもの:
- 申請書または登録申込書(自治体や施設のウェブサイトからダウンロードできる場合が多いです)
- 印鑑
- お子さんの健康保険証、乳幼児医療証
- 保護者の身分証明書(運転免許証など)
- (必要に応じて)医師の診断書や意見書
- その他、自治体や施設が指定するもの
- 手続きの流れ:
- 必要書類を準備します。
- 指定された窓口に書類を提出します。
- お子さんの状況や利用希望について、施設職員と面談を行う場合があります。お子さんの普段の様子やアレルギーなど、大切な情報を伝える機会です。
この登録手続きを済ませておくと、急に一時預かりを利用したい時でも、スムーズに予約に進むことができます。登録には時間がかかる場合があるので、早めに済ませておくことをお勧めします。
ステップ4:利用したい日時を「予約」する
登録が完了したら、子どもを預けたい日時が決まったら予約をします。
- 予約方法: 施設に電話、または専用のウェブサイトやシステムから予約する場合が多いです。
- 予約受付期間: 利用したい日の〇日前から予約可能、といったルールがある場合があります。施設の定員に限りがあるため、人気の施設や時間帯は早めに予約が埋まってしまうことがあります。
- 利用理由の確認: 予約時に、利用理由(通院、リフレッシュなど)を確認されることがあります。
ステップ5:利用当日
予約した日時に、お子さんと一緒に施設に行きます。
- 持ち物: オムツ、着替え、ミルク、離乳食、おやつ、飲み物、お昼寝用のタオルケットなど、年齢や時間に応じた持ち物が必要になります。持ち物リストは施設の案内に記載されています。持ち物には全て記名しておきましょう。
- 利用時の注意点: お子さんの体調が悪い場合は利用できません。体調の変化があった場合の連絡先などを改めて確認します。
- 送迎: 予約した時間にお子さんを預け、決められた時間にお迎えに行きます。
ステップ6:利用後の流れ
利用時間に応じて、費用が発生します。
- 費用支払い: 利用時間に応じた料金を、当日現金で支払うか、後日請求書払い、口座振替などの方法で支払います。支払い方法は施設によって異なります。
一時預かりの費用はどのくらい?
一時預かりの費用は、自治体や施設、利用時間によって異なります。
- 費用の目安: 1時間あたり数百円から1,000円程度、または1日あたり数千円程度が多いようです。
- 所得による減免: 生活保護世帯や住民税非課税世帯など、所得に応じて利用料の減免措置が設けられている場合があります。
- その他: 給食費やおやつ代が別途かかる場合があります。
具体的な料金体系や減免制度については、必ず利用を希望する施設またはお住まいの自治体にご確認ください。比較的安価に利用できる公的なサービスであり、経済的な負担を抑えながら支援を受けることができます。
困った時、分からない時の相談先
一時預かりについてもっと詳しく知りたい場合や、利用する上で困ったことがあれば、以下の窓口に相談できます。
- 〇〇市 子育て支援課(または保育課など)
- 電話番号:XXX-XXXX-XXXX
- 一時預かり制度全体に関する問い合わせ、実施施設の情報提供など
- 〇〇市 子育て世代包括支援センター
- 電話番号:XXX-XXXX-XXXX
- 一時預かりを含む様々な子育て支援に関する総合相談。どのサービスが自分に合っているか分からない場合にも。
- 一時預かりを実施している各施設
- 登録方法、予約方法、施設の詳細、持ち物など、その施設に関する具体的な問い合わせ
一人で悩まず、まずは気軽に相談してみましょう。
まとめ
地域の「一時預かり」サービスは、保護者の様々なニーズに合わせて、必要な時に子どもを安心して預けられる心強い味方です。急な用事ができた時、体調が優れない時、そして何より、育児から少し離れてリフレッシュしたい時など、一人で抱え込まずに利用を検討してみてください。
利用には事前の情報収集と登録が必要な場合が多いですが、手続きは難しくありません。もし分からないことがあれば、お住まいの自治体の子育て支援課や子育て世代包括支援センターに遠慮なく相談してみましょう。一時預かりを上手に活用して、心にゆとりを持って子育てを楽しんでいただけたら嬉しく思います。